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前後際断

2019年5月27日

                                       「前後際断」という言葉があります。過去の事に囚われてしまったり、まだ来ぬ未来を憂えたりすることを戒めます。どんな事が起こってもそれを引きずってしまうと、大事にするべき今がおろそかになります。大切なことは、取り返しのつかない過去や、どうなるかわからない未来ではなく、「即今目前」、これが禅の生き方です。人生に信念はいらない、いま目前のことに集中します。
 僧堂では、いったん謝れば、過ぎ去った事に囚われることはありません。もちろんその時はこっぴどく怒られます。在家の私のような56歳の人間でも、たいへんな勢いで叱られます。しかしそれでノーサイド。実にカラッとしていてそれがどんどん心地よく思えてきます。
  傷つくことや、「相手の気持ちを」をよく考える、○○ハラスメントなどの言葉がよく出ます。社会、世の中がすこし過敏になっていませんか。おおらかさがない。自分を守る言葉遣いのみに神経質になっていませんか。気持ちよく怒り、気持ちよく叱られましょう。
 ひとは必ず失敗します。ただし同じ失敗は繰り返さないことが大切。先月も書きましたが、原因はしっかり捕まえてください。一番よくない失敗は、信用を損なうこと。お金は取り返しがつきますね。どんなときに信用を失いますか?それぞれよく考えてみてください。思いつくままに、一,嘘偽り。(これは論外ですね)一,自分の利益ばかりを求める。一,約束や時間を守らない。一.同じ失敗を繰り返す(これが一番よくありません)
 どんな仕事であれ、毎日やっていること、今やっていることに心を込めて行う事こそが修行です。
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